これからのクスリとのつき合い方と薬の育て方

これからのクスリとのつき合い方と薬の育て方
これからのクスリとのつき合い方と薬の育て方

著:大分大学名誉教授/大分大学医学部創薬育薬医療コミュニケーション講座教授 中野 重行
四六判/264頁/1,500円(税別)
発行:2014年5月29日
ISBN978-4-902007-63-3

臨床薬理学者による誰にでもわかる一冊!
●心身医学の専門医であり臨床薬理学の第一人者である著者が、一般の読者に向けて著した「薬と上手につき合うため」の本。

Q&Aでわかりやすい解説!
●「有効期限を過ぎた薬は使ってはダメ?」「子供が誤って薬を飲んでしまったら?」「血圧を下げる薬は、なぜ何種類もあるのですか?」「高齢者が薬を飲むときに注意することは?」など、薬の使用等で押さえておきたいポイントをQ&A方式でわかりやすく解説。

薬との新しいつき合い方に出会える!
●薬が生まれるまでのプロセス(創薬)や薬の育て方(育薬)、ヒトの体の自然治癒力と薬との関係、生活習慣を改善する「養生法」の重要性などを知ることにより、薬との新しいつき合い方に出会える一冊。

臨床試験専門職の方にも役立つ!
●一般の読者だけでなく、薬剤師や看護師など臨床試験専門職の知識整理や患者とのコミュニケーション向上にも役立つ内容。

これからのクスリとのつき合い方と薬の育て方  本書は、皆さんにぜひ知っておいていただきたい「クスリとのつき合い方」、つまり「薬とつき合う際のマナー」について、まとめたものです。
 第1部「薬との上手なつき合い方Q&A」では、薬に関するよくある疑問を、Q&Aの形にして、基本的な原則をご紹介します。
 第2部「薬が生まれるまでのプロセス 〜創薬の物語〜」では、薬は誰がどのようにして作っているのか、ということに焦点を当て、創薬のプロセスについてまとめました。
 そして薬は、人の病気の治療に有効で、かつ安全なことが確かめられて市販され、皆さんの手元に届くようになったあとも、よりよい使い方を調べたり、人の健康の維持に長い目で見た際に本当に役立っているのかどうかを研究していく必要があるのです。このプロセスは、まさに薬を育てていくというイメージがふさわしい感じがすることから、「育薬」と名付けられています。第3部「薬の育て方 〜育薬の物語〜」では、この育薬のプロセスについて記しました。


【本書の主な内容】
プロローグ 薬は多くの人たちが協力して創るものです(創薬)
市販後(製造販売後)も薬はみんなで育てるものです(育薬)
自然治癒力と薬
原因療法と対症療法
自然治癒力を高めると薬効も出やすい
第1部 薬との上手なつき合い方 Q&A
第1章 薬の使い方
Q1 薬は水なしで飲んでもよいですか?
Q2 薬を水以外のもので飲んでもかまわないですか?
Q3 薬の作用にお酒は影響しますか?
Q4 薬によって服用時間が違うのはなぜですか?
Q5 薬の量は二倍飲めば二倍効きますか?
Q6 薬によって一日一回、二回、三回など、服用回数が違うのはなぜですか?
Q7 いろいろな薬を一緒に飲んでもよいですか?
Q8 薬と飲食物の相互作用はありますか?
Q9 薬の形にはどんなものがありますか? その使用方法は?
Q10 徐放性製剤とはどんな薬ですか?
Q11 薬をうっかり飲み忘れたときはどうしたらよいでしょうか?
Q12 薬は体の中に入ってからどうなるのですか? どんどん溜まってしまわないのですか?
Q13 薬によって尿や便の色が変わることがありますか?
Q14 塗り薬をつけるときに気をつけることは何ですか?
第2章 医師が処方する薬
Q15 町の薬局で買える薬と医療機関で処方される薬は、どう違うのですか?
Q16 同じ薬だと説明されましたが、色も形も違います。大丈夫でしょうか?
Q17 医療機関で処方された薬を人にあげてもよいですか? 人からもらっても大丈夫ですか?
Q18 処方された薬のことを医師に聞いてもよいのでしょうか?
第3章 市販されている薬
Q19 市販薬には有効期間が書いてありますが、それを過ぎたものは絶対に使ってはダメですか?
Q20 薬を保管するときに注意すべきことは何ですか?
Q21 救急箱に入れておいたほうがよい医薬品と医療用具は何ですか?
第4章 薬の効能
Q22 頓服薬はどんな薬ですか? いつ服用するのですか?
Q23 鎮痛薬の飲み方は?
Q24 点眼薬の正しい使い方は?
Q25 血圧を下げる薬は、なぜ何種類もあるのですか?
Q26 冷湿布と温湿布の違いは何ですか?
Q27 坐薬とは何ですか?
Q28 便秘で下剤を常用していたら、だんだん量が増えてきました。どうしたらよいでしょうか?
Q29 睡眠薬が止められなくなりました。どうしたらよいでしょうか?
Q30 狭心症で貼り薬(貼付剤)を使っています。どこに貼ってもよいのでしょうか?
第5章 薬の副作用
Q31 副作用のない薬はないのですか?
Q32 アレルギー体質といわれたことがあります。薬の副作用が出やすいのではないですか?
Q33 食物アレルギーなのですが、飲めない薬がありますか?
Q34 使った薬で思いもかけない症状が出たときはどうすればよいでしょうか?
Q35 薬の袋に「眠気を催すことあり。運転、高所作業など注意」と書いてありました。絶対に車を運転してはいけませんか?
Q36 高血圧の薬を飲んでいるのですが、最近何もする気が起こらなくなってきました。これは薬の副作用でしょうか?
Q37 漢方薬に副作用はないのですか? ほかの薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
第6章 妊婦・小児・高齢者
Q38 妊娠しています。薬を絶対に飲んではいけないのですか?
Q39 小児に薬を飲ませるときに気をつけることはありますか?
Q40 小児が誤って薬を飲んでしまいました。どうしたらよいでしょうか?
Q41 高齢者が薬を飲むときに注意することはありますか?
第7章 かかりつけ薬局・おくすり手帳
Q42 「かかりつけ薬局」とは?
Q43 「おくすり手帳」(お薬手帳)とは?
第2部 薬が生まれるまでのプロセス 〜創薬の物語〜
第1章 薬ってなあに?
人類はつねにクスリを求めてきた
薬のルーツは食べ物
症状の陰にあるもの
  ストレスについて
副作用はやっぱり怖いもの?
第2章 薬が生まれるまで
新しい薬に期待されること
有効性と安全性の間で
  内服薬(錠剤・カプセル剤・顆粒・粉末)
  注射剤
  貼付剤
  坐剤
「創薬」の流れ
  新規医薬品となる候補物質の有効性と安全性を研究する非臨床試験(動物実験)
    一般的な毒性を調べる「単回投与毒性試験」と「反復投与毒性試験」
    催奇形性を調べる「生殖発生毒性試験」
    その他の毒性試験
    有効性を調べる「薬効薬理試験」
    副作用を調べる「一般薬理試験」
    薬の吸収や代謝・排泄などを調べる「薬物動態試験」
  「治験」という名の臨床試験:人を対象に有効性と安全性をテストする
    第T相試験
    第U相試験
    第V相試験
  市販後にも薬の臨床試験は行われる
「薬が効く」とはどういうことか 〜真の薬効を見極めるために〜
  薬効とともにあるもの
  真の薬効を評価するために
  薬の効果とプラセボ効果
第3部 薬の育て方 〜育薬の物語〜
第1章 よりよい薬を育て、うまくつき合うために
薬は、成長し、成熟するもの
「育薬」がなぜ重要なのか
「育薬」の制度と流れ
  製造販売後調査の制度
    再審査制度
    再評価制度
    副作用・感染症報告制度
  製造販売後調査のいろいろ
    使用成績調査
    特定使用成績調査
    製造販売後臨床試験
一般の皆さんが育薬の中心
  皆さんからの情報が育薬の原動力となる
  つき合い上手は育て上手
よりよい薬を目指して
  薬の放出を制御する工夫
  薬の吸収をよくする工夫
  病巣部にのみ薬が作用する工夫
  体内で分解されることで効果を現す工夫(プロドラッグ)
第2章 創薬育薬を実り豊かなものにするために
治験を含む臨床試験を円滑に進めるための体制整備
創薬育薬ボランティアの受けることのできる恩恵(ベネフィット)とは
    よりよき薬の提供
    よりよき医療の提供
    治験により得られた結果の情報提供
    治験を取り巻く医療環境の整備
    経済的支援
臨床研究コーディネーター(CRC)に期待される役割
    倫理性の確保のための支援
    科学性の確保のための支援
    信頼性の確保のための支援
日本の文化風土になじむ臨床試験システムとは
  インフォームドコンセントと臨床試験
  『華岡青洲の妻』に思うこと
わが国の文化風土に馴染む新しい臨床試験システムの提唱 〜「思いやりプラン」が目指すもの〜
    患者さんへの臨床試験の説明がしやすくなる
    患者さんにとって臨床試験に参加することの意義がわかりやすくなる
    患者さんにとって臨床試験の内容がわかりやすくなる
    日本の文化風土になじむインフォームドコンセントが生まれる可能性がある
    国民に対する臨究コ床試験の啓発活動として役立つ
    患者さんの臨床試験への参加が促進される
エピローグ 病気や症状には意味がある
人生で巡り合う出来事にも意味がある
医療におけるサイエンスとアート
生体の有する「自然治癒力」(自己治癒力)
自然治癒力と薬物使用時の改善率を高めるためのヒント
医師・医療者と患者、一緒によりよい医療をつくるための枠組み作りを
謝辞
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