2012年12月21日発行
看取りハンドブック
家族と介護職のための看取りハンドブック

監修・執筆
医療法人社団いらはら診療所理事長 苛原 実

B6判変型 約250頁 本文2色刷

ご家族の看取り、施設での看取りの方法すべてが
この一冊にあります。

さまざまなベテラン専門職がわかりやすく執筆!
看取りは、心と心が響き合う、いのちの時間です。


看取りハンドブック内容見本  超高齢社会は多死社会でもあります。現在、病院で亡くなる方は全体の8割ですが、病院の目的は、あくまでも「救命」と「治療」です。そのために、病院はますます高機能化・専門化し、さまざまな機械、検査、技術を駆使します。
 ですから、その人らしい、最期のときを満足して迎えるためには、病院よりも在宅や施設のほうがふさわしいといえます。現在、在宅や施設でも、高度な医療・介護を提供できるようになりました。介護職にとっても、看取りを経験することで、介護の心と技術をワンステップ高めることができます。看取りはたいへんなことです。でも、人生の時間を一段深める、実り多いときでもあります。
(苛原 実)


第1章●看取りに必要な知識・考え方

「看取りとは何か」「今、なぜ看取りなのか」その基本的な考え方から、介護・看護の現状、また種々の看取りに関係する社会制度について解説する。 介護職だけではなく、家族が知っておくことで、看取りはスムースになり、看取られるご本人にとっても生活が豊かになる。
看取る人、看取られる人の心を養い、愛情をはぐくむような看取りを実践していただきたい。

1.多死・人口減少時代の到来
2.人はどのように亡くなってゆくのか
3.施設の看取りは必然の方向
4.看取りに役立つ訪問看護
5.知っておきたい介護保険の基礎知識
6.ケアマネジャーの選び方
7.死に場所を選ぶ
8.尊厳と生きがいのある"最期を生きる"
9.介護職がどこまでできるのか
10.看取りに必要な介護器具
11.点滴は死にゆく人を楽にするのか
12.麻薬は使うべきなのか
13.告知について
14.院外処方と「かかりつけ薬局」
15.死亡診断書にまつわる誤解
16.ボランティアの活用について
17.介護施設での看取り


第2章●看取りに必要な技術

看取りの具体的な方法を、介護、看護、医療に分けて解説する。看護職、介護職には当然なことであっても、家族にとっては戸惑うことばかりである。
看取りの「プロ」はいない。看取られる人と心を通わせながら、そのときそのときでもっともよい方法を探る必要がある。ここには介護職、家族が知っておくべき最低限必要な技術が説明されている。

A.介護技術
1.清拭(体をきれいにする)
2.洗髪
3.排泄介助の方法
4.食事介助の方法
5.食事の内容
6.嚥下体操

B.看護技術
1.生命の信号(バイタルサイン)をみる
2.痰の吸引
3.経管栄養
4.褥瘡の処置
5.点滴の介助
6.摘便の方法
7.口腔ケアの方法
8.痛みを減らす・除く「疼痛緩和ケア」の基本的知識
9.看取りで訪問看護を受ける手続き要件

C.症状への対応
1.痛み
2.発熱
3.悪心(吐き気)、嘔吐
4.便秘
5.浮腫(むくみ)
6.不眠
7.呼吸困難


第3章●看取りと心のケア

看取りにはケア技術も重要だが、それ以上に、最期をどのようにやすらかな心で迎えてもらうかに意義がある。
どのように看取られる人と心を通わせることができるのか、そして、お互いに「満足できる別れ」のときをもてるのか。
看取りは決して暗いだけのものではない。そこには愛情の流れがある。「豊かな別れ」のときを味わうこともまた人生である。

A.終末期の患者へのケア
1.死にゆく人との会話
2.死をどこまで伝えるか
3.介護職としての会話のありかた
4.傾聴の具体的方法
5.看取りと音楽
6.アロマセラピー

B.死別遺族への心のケア
1.看取りのときのグリーフケア
2.死別者のグリーフケア


第4章●告別

死は、残された家族にとっても無限の喪失である。
死を、家族や周囲の人がどのように受け止めるのか、その方法についてこの章では考えたい。
死を「タブー視」する現代の日本社会では、葬式やグリーフケア(遺族への心のケア)はあまり話題にならない。しかし、誰しも、忘れてはならないテーマである。

1.自然な「死のかたち」をつくる
2.葬儀の基礎知識


第5章●看取りの実際

家族、介護職、医師の3人が経験した看取りのケースを紹介する。
看取りには、あとでさまざまな後悔があったり、「看取り切った」という「満足」が交錯したりする。
そしてどの看取りも心に響く。豊かな死を看取るということは、豊かな生を生きることである。そのような看取りこそ、死にゆく人の心に大きく慰めをもたらすものであろう。

1.有料老人ホームのケース
[ケーススタディ]
心の不安定に対応する

2.グループホームのケース
[ケーススタディ 1 ]
家族との信頼関係がもっとも重要
[ケーススタディ 2 ]「家族のとき」を大切にする

3.在宅のケース
[ケーススタディ]
独居の看取り

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